高齢の親の一人暮らしが心配で、実家の管理も大変になってきた…そんなお悩みをお持ちではありませんか?
私も86歳の母が実家で一人暮らしをしており、何度か転倒・骨折を繰り返す中で「このままでは危険」と感じていました。
60km離れた実家への通いも限界があり、将来の介護を考えると不安は募るばかりでした。
この記事では、実際に母を自宅近くのマンションに転居させ、実家を売却した体験をもとに、高齢親の転居と実家売却のメリット・デメリット、そして成功のポイントについて詳しく解説します。
転居を決断した背景と理由
2016年10月頃、私は86歳の母を実家から自宅近くの賃貸マンションに転居させることを決断しました。
母は築40年以上の2階建て4LDKの実家で一人暮らしをしていましたが、いくつかの深刻な問題が重なっていたのです。
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母の身体状況への不安
最も大きな理由は、母の安全面での心配でした。
何度か転倒して骨折を繰り返しており、一人暮らしを続けることのリスクが高まっていました。
当時はまだ杖なしで歩行できる状態でしたが、いつ何が起こるか分からない状況でした。
実家と私の自宅は60km離れており、緊急時にすぐ駆けつけることができません。
将来的に介護が必要になった時のことを考えると、この距離は大きな障害になると感じていました。
実家の老朽化問題
築40年以上の実家は、あちこちにガタが来ていました。
特に深刻だったのが雨漏りで、2012年5月に応急処置の工事を行いましたが、それでも60万円かかりました。
今後さらに大規模な修繕が必要になることは明らかで、費用面での負担も心配でした。
日常生活での困りごと
母が頭を悩ませていた問題もありました。
町内のゴミ当番が高齢者にも回ってきて、ゴミを焼却炉まで台車で運ぶのが体力的にきつい状況でした。
また、隣家の飼い猫が頻繁に実家に入ってきてフンをする問題もあり、相手が話しにくい人だったため母は対応に困っていました。
実家売却と転居のメリット
・修繕費用の心配がなくなる
・固定資産税・地震保険料が不要になる
・売却収入を老後資金として活用できる
・空き家管理の負担がなくなる
・緊急時にすぐ駆けつけられる
・日常的な見守りやサポートが可能
・近隣トラブルから解放される
経済面でのメリット
実家を売却することで、今後かかるであろう修繕費用を回避できました。
築40年以上の建物では、屋根や外壁、設備関係など、大規模な修繕が必要になる可能性が高く、その費用は数百万円に及ぶこともあります。
また、固定資産税や地震保険料などの固定費も不要になります。
売却によって得られた収入は、年金以外の収入がない母にとって貴重な老後資金となりました。
生活面でのメリット
転居先の賃貸マンションの家賃は私が全額負担することにしたため、母の金銭的負担はゼロになりました。
生活環境は大幅に改善され、エレベーター付きのマンションで階段の上り下りの心配もなくなりました。
私にとっても、いつでも駆けつけられる距離にいることで、見守りやサポートがしやすくなりました。
片付けと引越しの実際
片付けにかかった期間と作業内容
実家の片付けには約2ヶ月間を要しました。
4LDKの戸建てでしたが、1部屋は足の踏み場もないほど荷物が多く、処分作業は想像以上に大変でした。
作業は主に私が行い、母にも手伝ってもらいました。
1ボックスカーに不用品を積み込み、ゴミ焼却場に10回程度運びました。
リサイクルショップへの持ち込みや、着物の出張買取も利用しました。
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業者利用と費用
引越し用の荷物を置くスペースを確保するため、まず不用品の処分を優先しました。
最終的に、家具類や処分しきれなかった物については業者に依頼し、不用品処分費用として25万円かかりました。
当時私が56歳で時間に余裕があったことが幸いでした。
もし時間がなければ、すべて業者に依頼する必要があり、費用はさらに高額になっていたでしょう。
タイミングの重要性
親が比較的元気で、自分で判断・行動できるうちに検討することが重要です。
身体機能が低下してからでは、引越し自体が大きな負担になってしまいます。
決断した2016年8月時点で、母は杖なしで歩行可能で比較的元気でした。
しかし、その後は杖→カート→介護認定と段階的に身体機能が衰えていきました。
振り返ってみると、ギリギリ間に合ったタイミングだったと感じています。
もし決断がもう1〜2年遅れていたら、母の体力的にも精神的にも、引越しは困難だったかもしれません。
転居後の変化と現在の状況
母の様子
転居後、母の生活環境は大幅に改善されました。
新しいマンションは設備が整っており、安心して過ごせるようになりました。
町内のゴミ当番や隣家の猫の問題からも解放され、ストレスが大きく軽減されました。
私の負担の変化
近距離にいることで、日常的な見守りやサポートがしやすくなりました。
緊急時にもすぐ駆けつけることができ、安心感が大きく向上しました。
実家の管理や維持に関する心配もなくなり、精神的な負担も軽減されました。
失敗談と改善点
・ネットスーパーなどの宅配サービスの活用検討
・スマートフォンの導入をもっと早く行う
・片付けの段取りをより詳細に計画する
引越しの1年前から母にスマートフォンを持たせたのは正解でした。
それまでは携帯電話でしたが、母が耳が遠いため電話での会話が困難でした。
LINEを利用することで連絡がスムーズに取れるようになり、コミュニケーションが格段に改善されました。
一方で、実家での一人暮らし期間中に、ネットスーパーなどの宅配サービスをもっと活用できたのではないかと思います。
買い物の負担軽減や、転居の必要性を少しでも遅らせることができたかもしれません。
同じ状況の方へのアドバイス
・親が元気なうちに早めの検討を
・十分な時間の確保(最低2〜3ヶ月)
・家族での十分な話し合い
・スマートフォンなどの連絡手段の整備
・利用できるサービスの事前調査
・段階的な準備と無理のないスケジュール
決断のタイミング
最も重要なのは、親が元気で判断力があるうちに検討を始めることです。
身体機能や認知機能が低下してからでは、引越し自体が大きなストレスとなり、かえって状況を悪化させる可能性があります。
準備しておくべきこと
片付けと引越しには想像以上に時間がかかります。
最低でも2〜3ヶ月の期間を確保し、段階的に進めることが重要です。
また、親とのコミュニケーション手段を整備しておくことも大切です。
スマートフォンとLINEの組み合わせは、聴力に不安がある高齢者にとって非常に有効でした。
費用面での準備
不用品処分や引越し費用など、ある程度まとまった費用が必要になります。
私の場合は業者への処分費用だけで25万円かかりましたが、時間をかけて自分で処分作業を行ったため、この程度で済みました。
すべて業者に依頼する場合は、さらに高額になることを覚悟しておく必要があります。
まとめ
高齢の親の実家売却と転居は、確かに大変な作業でした。
しかし、結果的には母にとっても私にとっても、非常に良い選択だったと確信しています。
経済面では修繕費用の回避と固定費の削減、売却益の獲得というメリットがありました。
生活面では安全で快適な住環境の提供と、近隣トラブルからの解放が実現できました。
そして何より、いつでも駆けつけられる距離にいることで、お互いの安心感が大きく向上しました。
同じような状況でお悩みの方には、親が元気なうちに早めの検討をお勧めします。
時間と労力はかかりますが、将来への不安を大きく軽減できる選択肢だと思います。
大切なのは、親の意思を尊重しながら、家族全体にとって最適な解決策を見つけることです。
私たちの体験が、同じような状況の方の参考になれば幸いです。

